帳簿は自分でつける

会計税務

私は、自分の事務所の帳簿は自分でつけています。予算も組んであるので、令和6年の売上や利益の大体の着地点は把握しており、毎月その進捗状況を管理しています。臨時の仕事等で売上が上振れするときは、うれしいもんですよ。その反対で、想定よりシステム料がかかるなぁ・・・なんて頭が痛くもなります。帳簿を自分でつけるのは税理士なんだから当たり前でしょ?いやいや、事業者なら皆そうすべきだと思いますよ。

記帳を会計事務所にまかせて、試算表を受け取ったって見やしませんって。いいとこ眺めるぐらいです。自分で入力すると、その数字は、経営に活かせる情報など色々なことを訴えてきますよ。

勘と度胸の経営では、倒産や廃業の可能性がグッと高まりますよ。かつてのフランスのルイ14世は、自己破産時に帳簿を提出させました。きちんとした帳簿を持ってこられない者の罰則は「死刑」という恐ろしいものでした。ちなみに、帳簿をつけ数字を見て経営している人たちは、あまり倒産していなかったそうです。

自社で帳簿をつけて、会計事務所に監査してもらい、帳簿の信頼性をあげる。そして、その数字を分析し、次の一手を考える。これが経営者の最も大事な仕事ではないでしょうか。

税理士 鍋谷尚志